お客様事例「アイデアはあるけど自分では作れない」そんなときはトリプロの出番だ!

センシグナルとクレイン電子が7月30日より提供を開始した試作開発サポートサービス、「トリプロ」。本サービスの正式な提供開始より前から、センシグナルおよびクレイン電子の協力により、イメージしていた機器を形にしてビジネスに役立てようとしている方がいます。その1人、株式会社ノデラ代表の野寺氏に、話を伺いました。

野寺氏(株式会社ノデラ代表)

イベントなどのコンテンツで「見せ方」の幅を広げるため
センシグナルの協力を得て単機能ハードキーデバイスを開発

——野寺さんは普段、どのようなお仕事をされているのでしょうか。

野寺氏 私は長くWeb業界におり、Adobe Flashなどを用いて様々なコンテンツの開発をしてきました。現在では主にテクニカルディレクターとして、クライアントの企画をいかに実現するかという、具体的な方策を考える仕事を手掛けています。
なお、Flashは様々な問題から一般向けのWebサイトに使いづらくなっていますが、様々な種類の素材を素早く取りまとめ、きちんとしたタイムラインで見せることができるといった点では、他の手法より優れています。そのため今でも、クライアント向けの画面モックアップや、テーマパーク等のイベント用コンテンツなどといったところでFlashを使っています。

——現在開発中の機器は、そのFlashを操作するのが目的とのことですね。

野寺氏 Flashを扱う中で、デバイスからFlashを操作する、または逆にFlashからデバイスに動作させる、といったことができたらいいなと、昔から考えていたのです。例えばデバッグなどのため特定のキー入力をFlashに与えるデバイスが欲しくて、市販のキーボードを改造してフットスイッチを取り付け、特定キーを足で素早く入力できるようにするなどしたこともあります。
それを発展させたものが今回開発中の「ANYKEY」で、いわば機能を絞ったハードウェアキーです。USB-HIDデバイスとなる小さな箱にいくつかのボタンを搭載し、ボタンを押すとプログラムされた内容に従ってキーコードを出力します。シリアル接続ではソフトウェア側の対応が面倒ですが、HIDデバイスなら入力の扱いも簡単です。なお、ANYKEYが完成した暁には、量産・市販化も考えています。

——ANYKEYは、具体的にどのような形で役立つのでしょう。

野寺氏 例えばイベント会場で来場者へのプレゼントを決定する際、ルーレットのストップボタンに使う、あるいはアプリのシャッターボタンに使う、といった形で役立ちます。画面上のボタンにタッチしてもらう形でも実現はできますが、単機能なハードウェアキーがあれば、見せ方の幅が広がるのです。

——ANYKEYの開発において、センシグナルはどのように役立ちましたか。

野寺氏 クライアントの依頼を受けて制作する過程で、「こういうハードウェアがあったらいいな」というアイデアが出てくることがあります。とはいえ私はソフト屋でありハードウェアには素人。市販品の改造くらいならできるものの、何もないところから作ることはできません。だいたいの作り方はイメージできますが、具体的な工程までは分からないのです。そして、これまでは相談する相手さえおらず、実現する上で何が大変なのかすら分かりませんでした。
それが今回、縁あってセンシグナルに協力してもらい、ANYKEYというデバイスとして形になってきました。「どういうハードウェアを買ってくればいいか」ではなく、「ないなら作ればいい」という選択肢が得られたと言えるでしょう。

——ANYKEYの他にも、新たなハードウェアを開発しようとしていますね。

野寺氏 ケーブルが邪魔になるワイヤレスで操作できるものも欲しいと考え、Bluetooth-HIDデバイスとなる機器も開発中です。まずは、これから行うイベントのための機器として、ピストル型の玩具を改造して組み込んでもらう予定です。引金が、そのままプレゼント用ルーレットのトリガーとなります。今回はイベント予算の制約もあって玩具の改造で一点ものとして作ることにしましたが、これもセンシグナルの提案によるものです。「どうやったら予算内に収められるか」という点でも、柔軟な発想で対応してくれました。
トリプロのサービス開始に伴い、今後はより多くの企業がこのようなメリットを得られるようになると期待しています。「アイデアはあるけど自分では作れない」、そんなときはトリプロに相談してみるといいでしょう。

お客様紹介
株式会社ノデラ
2006年5月1日設立。Web広告でのFlashコンテンツの制作に携わっていたが、iOSの登場と共にWebでのFlashコンテンツの需要が低下。Web以外でのFlashコンテンツの制作を軸に、技術的側面から、企画をどのようにすれば実現できるか、といったテクニカルディレクションを行っている。
https://nodera.net/

ANYKEYのケースサンプル。海外の工場なども活用して製造していく。

ANYKEYのプロトタイプ品。通常はこういった作りは行わないがニーズがまだ明確でないうちはこういった試作も行ってニーズを探っていく。